イマジナクトラボ

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ソーシャルリスニングから広告まで データ分析の達人が語るこれからのデジタルマーケティング

ソーシャルメディアの登場によって競合しなかった人たちが競合し始めている

花崎 そういう意味からいうと、ブランドや今出している商品サービスについて何が語られているか、といったところから、ライトに始めるというのが企業としては始めやすいのかもしれないですね。

 そうですね。まだ、ソーシャルメディアを中心にしてグリングリンいろんなものが動き始めているところまでは多分まだきていないと思うんですけど、今なんとなく予兆として起こり始めているのは、このソーシャルメディアが真ん中にある中で、従来だとまずマーケティング、いわゆる広告宣伝っていうのがあって、カスタマーサポートがあって、あとリサーチっていうのがあって、実はこの3者って全く別のプレイヤーだったわけですよね。

たとえば、リサーチ会社がマーケティングやるなんてこともないし、マーケティング会社がカスタマーサポートをやるなんてことは基本的にはなかったところに、ソーシャルメディアが登場したことによって、従来競合しなかった人たちが、競合し始めるといったことは起きつつあるんではないでしょうか。

花崎 ネットが浸透していった時と、よく似ている感じですよね。ネットの時も同じような、やはりその今までやってる様々な機能別の縦割り組織みたいなものがあって、それをこうウェブが一気通貫に風穴を開けていくみたいな面はあった。あの時と同じようなことが起こっていると。

株式会社ルグラン共同CEO 泉 浩人氏 そうですね。去年のアドテックで元ネットレイティングスの萩原さんにパネリストとして来ていただいたんです。萩原さんをお呼びしたのは、特にリサーチの領域で、リサーチはどう変わっていくのかをお聞きしたくてお話していただいたんです。

従来のリサーチというのはあくまでもリサーチャーみたいな人がいて、そのリサーチの設計で、特にその質問票をどう書くのか、つまり、質問によって、高い精度で本音を引き出す職人技みたいなものがありました。たしかに調査票が悪いとあまりいい結果が返ってこないとか、「回答ありき」のような誘導的なものになってしまう。つまり、「いい調査票ってのはどういうものなのか」というところに一つバリューがあったんですね。

ただ、ソーシャルリスニングみたいなものがおきてくると、もうすでに回答はそこにあるわけですよね。人々はツイートなどの中で自分の気持ちを書いてます。だからあえて聞きに行く必要はないわけですよね。すると、あとはそれを誰がどう読むかということになる。それを読む力があって、分析ができる力がある人がいれば、必ずしも、従来のリサーチ会社の人たちである必要はないみたいなことが起きたりとか。

あるいは従来であれば、広告代理店とリサーチ会社が組んで、いろんな調査をしてクライアントへ提案していたものが、マーケターがツールを使ってバーッと調べて「今世の中はこうなっています」とできてしまう。まあそこがはずれてしまうということがあるし、逆にリサーチの知見を持った人が今までの知見を活かしつつ分析をして、いろんな提案をしていくということも当然できるので、従来の境界とか線引きが崩れていくといったことが、多分今、起き始めようとしているのかなあと感じています。

花崎 そうですね。確かに、ツールを使うにはかなり習熟しないと。うちも去年ツールを入れてやり始めたんですけど、活用して思うのは、最初の要件の定義の仕方とか、仮説の立て方、そして出てくるデータから読み解く解釈力。多分いろんな能力が必要だということ。でないと、「蛇口をひねって今回は何度のお湯を出しましょう」とか、「冷たいお水を出しましょう」といった感じでツールのチカラを十分引き出すことは難しいのではないかと。

 そうですね。昨日もちょっとお話しをしましたけども、「英会話を始めるときの決意表明的な書き込みというのはツイッターよりはブログの方が多いのではないか」というようなこと。だから英会話をどういう気持ちで始めているのかみたいなことを知りたければ、多分ツイッターを見るよりブログを見た方がいいというのは、一つの知見でしょうね。あとは、もう少しテクニカルなことを言えば、ブログの世界においても、ノイズへの対処ですよね。

花崎 結構ありますよね。

 いわゆる広告宣伝的なメッセージが繰り返し出てくるというのも、たくさんあるわけですよね。これらを単純に拾っちゃうと、例えばある日ブログのエントリーというのがものすごく増えたと。実際にそれはアフィリエイターをやっている人たちが商売目的でガーッと書き込んでいるだけだと。それを書き込みの増加だって捉えてしまうと、見誤ってしまいます。それらをうまく除去したうえで、トレンドはどうなのかっていうのを見ていくといった、ノウハウも求められていく。

花崎 トレンドの把握という面において、ツール自体が解釈してくれるわけではない。解釈するのは人がやらなきゃいけない。つまり分析というのは人が担うべきというところ。ただ、解釈するための材料を与えてくれる意味においてはツールが出てきたことっていうのは、結構ありがたいことなんでしょうね。

うちの場合、最近の成功例でこんなのがあるんです。ある小売業の例なんですけどね。企業が暗黙の前提として想定しているターゲット層ってあるわけですよ。それが、ソーシャルリスニングを通じて、別のインサイトを持つ別のターゲット・グループを発見できた。そのプロセスを思い出した時に、「こういうターゲットの塊があるんじゃないか」という仮説を立てなければ、そこは見過ごしてしまっていたと思うんです。「目の付けどころ」とか「仮説の立て方」みたいなところに、多分コツがあるんでしょうけど、こうしたスキルはやはり場数で身につけていく感じになるんでしょうか。

 そうですね。まず一つはそういうデータをたくさん見ていくこと。あとはソーシャルメディアの場合、個人として使っていない人はなかなか難しいかなあっていう気がします。自分自身がツイッターやフェイスブック、ブログを使った実体験から、「ブログではこういうこと書かないよね」とか「ツイッター使うとき多分こういう時だよね」といったイメージができてくる。

花崎 体感覚でね。

 「RTしたくなるときってどういう時か」とか、「そもそも自分がフォローしている人のRTっていうのは、フォローしている側から見るとどう見えるんだ」みたいなことって、用語辞典引けば出てくるんですけど、それだけだと本質的なところがわからないじゃないかと思うんですよね。

ユーザーとしての経験をベースにして、そのツールをどんな風に使うかについて、特にソーシャルの場合求められているかなっていう感じはします。

花崎 大きいでしょうね。うちのセミナー事業の第一回目にトライバルメディアハウスの池田さんにお越しいただいたんです。現時点だとソーシャルメディアの利用者が増えているので、もうおっしゃってないかもしれませんけど、当時「やっている人とやっていない人の間には、マリアナ海溝のような大きな溝がある」という話が印象的でした。要するに、やらない側から「ソーシャルメディアが今来ているらしいじゃないか。うまくビジネス活用できる方法はないか」とやっても、なかなかうまくいかないというお話。ソーシャルは特にそういう面が大きいんでしょうね。

人と人との対話というところがベースにあるだけに、それを言語化された情報だけでその中身を理解するのが難しい領域だということなんでしょう。

 そうですね。昨日もお話ししましたけども、アメリカと日本、イギリスと日本の比較でいえば、フェイスブックの浸透度合の違い。これはマーケティング活用において念頭に入れておくべきかと。日本の生活者がソーシャルメディアをどう使っていくかっていうこと。

そもそも日本にはミクシィがあって、マーケティングのプラットフォームとして使おうとしたときに、匿名性などの理由でなかなか使いにくいと。でもミクシィ利用者はあれで困ってないから、みんな使っているわけですよね。

今後フェイスブックがものすごく浸透してきた場合は、もっといろんなことができるようになるでしょうけど、今の日本の状況で、ただ単にアメリカとかイギリスとかの成功事例を持ってきてはやし立てたところで、現在の登録者数からいうと、あくまで「複数あるプラットフォームの一つ」という位置づけ。そこだけで何かを完結しようかとかっていうことは現実的には難しいのかなと。逆に言うと、使っていない人が圧倒的大多数なわけですから。

花崎 そこを踏まえたうえでどのプラットフォームで何をやるのかっていうことを、全体のシナリオの中に落とし込んで、一部の役割をフェイスブックに担ってもらおうといった発想で、使いこなしていかないといけないんでしょうね。

 うん。